治療によって肌や眉、爪、髪に変化が出てきたとき、「以前の自分と違う」という戸惑いを感じる方は少なくありません。
鏡を見るたびに気持ちが沈んでしまう。外出するのが少し億劫になる。人に会う予定を、なんとなく避けてしまう。そんな気持ちを抱えながら過ごしている方に、少しでも心が軽くなるヒントをお伝えしたいと思います。
今日は、治療中・治療後の外見の変化と向き合う「アピアランスケア」についてご紹介します。
アピアランスケアとは、病気の治療にともなう外見の変化に対して、その人らしい生活を続けられるようサポートするケアのことです。脱毛や眉・まつ毛の変化、肌の乾燥やくすみ、爪の変化など、治療の影響はさまざまな形で現れます。
こうした変化は、体調の変化と同じくらい、気持ちに影響を与えることがあります。人と会うのが不安になったり、外出が減ったりすることで、生活そのものが小さくなってしまうこともあります。だからこそ、外見のケアも、治療と並んで大切にしてよいものだと私たちは考えています。
近年は医療の現場でも、こうした外見の変化に配慮した支援への関心が高まってきており、「アピアランスケア」という言葉自体を耳にする機会が増えてきました。ケアの方法は一つではなく、その方の状況や気持ちに合わせて、無理のない範囲で取り入れていくことが大切です。
眉がなくなったり薄くなったりすると、表情の印象が大きく変わったように感じられることがあります。眉は顔の中でも表情や雰囲気を左右しやすいパーツのため、変化に気づきやすい部分でもあります。
眉頭・眉山・眉尻のバランスを意識しながら、もとの自分の顔立ちに合わせて描くことで、自然な印象に整えることができます。一度に完璧を目指さず、少しずつ自分に合う形や色を見つけていくつもりで取り組むと、気持ちの負担も軽くなりやすいです。
治療の影響で、肌が普段よりも乾燥しやすくなったり、赤みやくすみが出やすくなったりすることがあります。今まで使っていた化粧品が合わなくなることもあるため、様子を見ながら見直すことも一つの方法です。
刺激の少ないスキンケアで、こすらず、やさしく水分と油分を補うことを意識しましょう。特に洗顔時はゴシゴシこすらず、泡や指の腹で包み込むように洗い、タオルで拭くときも押さえるように水分を取るのがおすすめです。
爪の変色や割れやすさが気になる場合は、爪を短めに整え、保湿を心がけることで負担を減らすことができます。日常の家事や作業で爪先に力が加わる場面では、手袋などで保護することも助けになります。
頭皮も治療の影響を受けやすい部分です。爪を立てず、指の腹でやさしく洗うことで、頭皮への負担を抑えることができます。洗髪後は自然乾燥ではなく、タオルで優しく水分を取ってから、低い温度でドライヤーを当てるようにすると、頭皮への刺激を抑えやすくなります。
ウィッグや帽子、スカーフなどを取り入れることで、外出への気持ちのハードルが下がる方もいます。素材や被り方によって印象や着け心地が変わるため、いくつか試しながら、自分にとって心地よいものを見つけていくとよいでしょう。
外見の変化は、周囲になかなか相談しづらいテーマでもあります。「こんなことを聞いてもいいのだろうか」「わがままだと思われないだろうか」と迷われる方も多いのではないでしょうか。
ご家族や周囲の方に気持ちを伝えることに抵抗がある場合、まずは専門的な立場の第三者に話してみることで、気持ちが整理されることもあります。
Beingでは、治療による外見の変化に悩む方に向けて、眉の描き方や肌に優しいスキンケア、爪や洗髪のケア方法など、お一人おひとりの状況に合わせたご相談をお受けしています。医療的な判断や治療方針についてお答えすることはできませんが、日々の生活の中でご自身らしく過ごすためのヒントを、一緒に探すお手伝いができればと思っています。
Q. アピアランスケアは治療中でないと受けられませんか?
A. 治療後、体調が落ち着いてからのご相談も可能です。ご自身のタイミングでご利用ください。
Q. 初めてでも相談しやすいですか?
A. 「何を聞いたらいいかわからない」という状態からのご相談でも問題ありません。まずは今の気持ちや気になっていることをお話しいただくところから始めています。